暗示について

暗示という言葉を聞くと、「何か特殊な行為を施された結果、自分の意志によらない考えが暗示として脳に入り込んでしまう」といったことを想像される人は多いかもしれません。しかし、暗示は特殊なものではなく、我々が住む世界に関する情報を、個人の認識として取り込む日常的な精神活動だと思います。暗示には次の3つがあるのではないかと思います。(ここでの用語の使い方は、私の解釈によるところが大きいため、一般的な用語は書籍などでご確認ください。)
1.経験暗示

このような言葉があるかないかは知りませんが、この世界について認識していく普通の過程です。自分が経験したことを認識として脳に記憶します。 【例】沸騰したお湯が手にかかったときに熱い思いをして、「沸騰したお湯は熱い」と認識する これは、特に「暗示」と呼ぶ必要はないと思いますが、自己暗示や他者暗示と同様の機能に思えるので、そう呼んでみました。

2.他者暗示

視覚や聴覚などを通して得られた2次的経験としての認識や、他者の言葉の内容を他者の経験または世界の真実として、自分にも適用されると認識します。 【例】ラーメンが大好きな人と一緒にラーメンを食べたとき、その人の「うまい!うまい!」という言葉を聞きながら食べていると、自分自身も「うまい!」と感じる 3.自己暗示
経験暗示や他者暗示により取り込まれた認識や、取り込まれた認識を連結して作った新しい認識 【例】ラーメンが大好きな人は、ラーメンを食べようと思ったときから、心の中で「ラーメンうまい!」と繰り返し思っているのではないかと思います。 暗示は、最終的には自己暗示のプロセスとして定着すると思います。この認識が本人にとってプラスのものであれば何の問題もありません。恐怖症などは、自分にとって好ましくなかったり、その状況において相応しくない思念が、この自己暗示のプロセスループに投入され、繰り返される中で強化されてしまた状態ではないかと思います。人は、経験や情報などをそれぞれの人がその人なりの認識を繰り返しながら、世界を把握していきます。その蓄積が増えるにつれて、新しい経験は少なくなります。また、自己が創造した認識をもって、他者の認識を拒絶することが多くなるように思います。催眠は、この拒絶の力を緩め、本人が受け入れても良いと思えることを受け入れやすくするための技法です。本人が拒否したいことは恐らく暗示として受けとめられないと思います。自己暗示のマイナスのプロセスループが断ち切れず困ったときは、催眠は役立つかも知れません。

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