「カウンセリングをやめたい」という気持ちになったとき、その気持ちと思っている言葉には、感情と解決策が混同されていることに気付いておくことが大切です。
- 感情
- つらい気持ちを楽にしたい
- 解決策(案)
- そのつらさを解決する方法を考えた結果、「カウンセリングを止めればつらさから逃れることができるかもしれない」と考えた
ここで、「カウンセリングを受けたい」と思った時の気持ちを同じように考えてみると・・・
- 感情
- つらい気持ちを楽にしたい
- 解決策(案)
- そのつらさを解決する方法を考えた結果、「カウンセリングを受ければ、つらさを解決し楽になれるかもしれない」と考えた
ここで考えられるのは、『つらい気持ち』はカウンセリングを受ける前後で何も変らず、その時々に意識する目の前の課題が、心の苦しさの原因にすりかわってしまっている可能性があるということです。
もっと言うと、「カウンセリングを受けたい」と思った動機が、「カウンセリングを止めたい」と思わせている可能性があるということです。 このような状態でカウンセリングをやめてしまうと、
- つらい気持ちは一人で我慢する
- その解決を、自分一人で考え決断してしまう(自分一人が責任を取る)
というトラウマを作ってしまう流れを繰り返すことになります。
ですから、自分一人で決断する前に、一度は、そのカウンセラーに相談してみた方が良いのではないかと思います。
ここまで、ややこしいことを書いてきましたが、「カウンセリングを止めたい」と考えているときは、カウンセリングでの経験が、心の苦しさを引き起こすことにつながっているのは確かなことだろうと思います。
ですから、「カウンセリングのどんなところにつらさを感じているのか?」を考えて、それをカウンセラーに伝えてみると良いと思います。
このときはまだ、解決策を考えない方が良いです。
自分の感情に気づくことが先です。
そして、気付いた感情を、カウンセラーに「つらくなっているんです」、「つらくなってしまうんです」などと伝えてみると良いと思います。
そうすれば、カウンセラーは、「つらい気持ちにさせてゴメンね」とか、「そんな気持ちなのに、我慢して、頑張って話してくれてたんですね・・・、気付かなくてゴメンなさいね」とかいう言葉を返してくれ、あなたの気持ちを受けとめてくれると思います。
そして、「じゃぁ~、どうしようか・・・」などと一緒に困ってくれると思います。
そこで、カウンセラーと一緒に解決策を考えはじめれば良いのです。
この『誰かと一緒』ということがとても大切です。
心の苦しみの解決は、殆どの場合、「心の苦しみを抱えておられる方自身が意識していること」を解決することでは得られません。
この「自分のことに一緒に困ってくれる人がいるんだ!」という体験に慣れることが重要なのです。
カウンセラーもただの人間です。
ですから、色々な失敗もするだろうと思います。
しかし、そんなカウンセラーの失敗によって、つらい気持ちにさせられても、そのつらい気持ちをカウンセラーに伝えれば、きっと、謝ってくれると思います。
このカウンセラーの基本姿勢が、心の苦しさの解決を手伝ってくれるのだと考えています。
もし、「つらい」と伝えた時に、「それは、あなたが悪い」とか、「心が弱いからだ」などといった言葉が返ってくるようなら、別のカウンセラーを探した方が良いかもしれません。
逆に、カウンセリングを止めるにしても、そのカウンセラーの基本姿勢を確認する前に止めてしまうと、別のカウンセラーを探しても、同じことの繰り返しになる恐れがあります。