アディクション(嗜癖)

心理カウンセリング・催眠療法の受付

一般的な説明

一般的に、「良くないと分かっているのに止められない」行動をアディクション(嗜癖)といいます。

これを、その対象によって、更に細かく、

  • アルコールや薬物などを摂取する物質アディクション
  • ある特定の行動を繰り返してしまうプロセス・アディクション
  • 特定の人間関係に固執する人間関係アディクション

というように分類されることもあるようです。

全体として、直接的な動機としては、「苦しい気分から解放してくれる」ということに向かいますが、二次的には「そこから抜け出せない苦しみ」をいつも抱えているような状態に陥る傾向があります。

意識される問題

通常、問題視される部分が症状名の中に組み込まれ、問題視する事象を中止することが解決だと認識することが多いようです。

【例】

  • タバコ依存症(タバコ中毒)・ニコチン依存症(ニコチン中毒)
  • アルコール依存症(アルコール中毒)
  • 薬物依存症(薬物中毒)
  • パチンコ依存症・スロット依存症
  • ギャンブル依存症
  • 買い物依存症
  • 万引き依存症
  • 仕事依存症
  • セックス依存症
  • 恋愛依存症
  • リストカット
  • 過食症

本当の問題

普通、これらの症状に向き合おうとするとき、その症状を

その行為に伴う快感のような感覚を求める行動を自制できなくなってしまっている

というように捉え、その解決の方向性として『欲望や欲求をコントロールできる(自制できる)ようになる』ことを目指そうとしがちだと思います。

確かに、はじめは、それに伴う快感に誘われて、それらの行為を始めたかもしれません。

しかし、止められないようになるためには、''もう一つの要因''が必要になります。

その行為を止められないことで生じる自責の念によって、心が苦しいと感じること(苦しい気持ちになること)

何らかの行為が原因で、自分にとって良くないことが起こったとき、『それを繰り返すと、また同じような目に合いそうだ』と感じると、普通殆どの場合、次のいずれかに納まると思います。

  • その行為をもう止める
  • 被害を最小限に抑えることで、その行為を楽しめるものにする

しかし、アディクションの傾向があるときは、『自責の念』を感じる必要があるために、このいずれにも当てはまることなく、同じようなトラブルの状態になるまで繰り返すことになるのです。

普通に考えれば、「自責の念を感じたい」と思う人など一人もいないと考えると思います。

そして、意識では、誰もが「自責の念など感じたくない」と考えていると思います。

そして、そのように考える事によって、『自責の念を必要としている気持ちがある』ということには意識が向かなくなってしまっています。

一般的な心理的迷いに陥ったときは、その解決のために次のようなステップを踏むことが大切です。

  1. その時々の自分の心の中の葛藤に気付く
  2. それぞれの気持ちを理解する
  3. それぞれの気持ちに折り合いをつける
  4. それぞれの気持ちを同じくらい大切にすることのできる解決策を考える
  5. 対処する

アディクションに陥っている時、普通はなかなか気付かないのですが、次のような2つの気持ちの葛藤状態に陥っているので、それぞれの気持ちを、まず、理解しようとすることが大切です。

  • 自責の念を感じたくない
  • 自責の念を感じたい
    (「自責の念を感じてしまう理由が欲しい」という気持ちという表現が、より正確であるように思います。)

その為には、これまで考えてこなかったであろう『自責の念を感じたい(自責の念を感じてしまう理由が欲しい)』という気持ちの方を、きちんと理解しようとすることが必要なのです。

このアディクションに陥っている状態を、分かりやすく書くと次のようになるのではないかと思います。

アディクションに陥る前も、ずっと心が苦しいと感じてきた。
でも、原因が分からず、解決する事ができなかった。
でも、アディクションに陥ってからは、アディクションから抜け出すことができたら、自分の心の苦しみが解決するかもしれないと思えるようになった。

つまり、アディクションの状態に陥りそれを苦しみの原因とすると、『心の苦しみの原因が分からない。原因が分からないからこの苦しみから抜け出すことができない』という苦しい気持ちから解放され、心のある部分が救われるということなのです。

これが、アディクションの正体だと考えています。

しかし、それは、殆どの場合、本質的な解決にはなりません。

自責の念を感じてしまう行動を解決してしまうと、もともと抱えていた『心の苦しみ』だけが残ってしまいます。

これは、原因が無い苦しみと認識されるため、また、「この苦しみからは一生抜け出すことができない」と思ってしまうような、あの苦しみに舞い戻ることになるのです。

「心の苦しみを解決できない」という状況は、人生を生きていくためには、何が何でも避けなくてはなりません。

そこで、苦しさの本質的な部分を解決できない場合、再び、自責の念を感じてしまう行動を繰り返すことで、『原因が分からず解決できない苦しみ』を、『原因が分かる解決できる苦しみ』だと思うことができるのです。

解決できると思うから、生きていけるのだと思います。

まとめ

アディクションという状態から本当に抜け出すためには、それを解決してしまった時に残る『原因が分からないから解決できない』と考えてしまう苦しみを解決する必要があります。

そして、それは、次のステップによって実現可能であることを知っておいて下さい。

  • 『原因が分からないから解決できない』と思っている苦しみを抱えている事に気付くこと
  • その苦しみを解決する方法があるということを知ること
  • その方法を実践していくこと

アディクションに関する補足

本人がこれらの症状によって苦しむことなく、周りの人だけが迷惑を被っているようなときは、次の2つの場合が考えられ、

  • 自分が苦しいことに気付けなくなってしまっている
  • 本人は本当の意味で楽しんでいる

個別のことで一概には言えないのですが、2.の場合は、アディクション(嗜癖)以外のところを考えた方が良いのかもしれません。

物質アディクションに関する補足

アルコール中毒や薬物中毒などを考える上では、2つのポイントがあると考えています。

  1. 物資が生体に作用する事によって生じる中毒に対する対処
  2. 中毒症状から抜け出しても、再び、中毒性のある物質を摂取してしまうことに対する対処

1.については、専門の医師の指示を仰ぎながら対処する事は大前提だと思います。

そして、中毒から脱した後でも、再び、繰り返してしまいそうになることについては、本文の説明は参考にして頂けると思います。

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