心理カウンセリング
01.心理カウンセリングって?
心理カウンセリングは、通常、カウンセリングルームで行いますが、電話によって行う場合もあり、最近はインターネットの普及に伴って、メール、スカイプなどによるカウンセリングもあるようです。
当カウンセリングルームでは、現在、カウンセリングルームでの対面形式の心理カウンセリングや催眠療法を行っています。
週に1回のペースで行うことが多いですが、ご自身で自由に決めることができます。月1回とか、必要な時に随時といった方もいらっしゃいます。
一般的なカウンセリングの所要時間は、1回当たり1時間程度が設定され、長くても2時間程度としていることが多く、当カウンセリングルームでも、大体、そのような時間でカウンセリングを行っていますが、ご希望によっては可能な場合はその場での延長もお受けしています。
心理カウンセリングを大雑把に説明すると、次のようなことを目的として心理カウンセラーと会話をします。
- 誰にも言えずに苦しんでいたことを話すことで気持ちを整理したり、抑え込んでいた感情を吐をき出すことによって楽な気持ちを取り戻したりする
- 今まで気づかなかったことに気づくことによって、新たなスタートを切るきっかけをつかむ
- 慢性的な心の苦しさから自分自身を解放する
02. 心理カウンセリングの目的
前項でも説明しましたが、心理カウンセリングの目的を簡単に整理すると次のようになります。
(1)自分自身を受け入れること
自分の本当の気持ちを、誰にも言えずにいることってありませんか?
どうして、言えないのでしょう?
話しても分かってもらえないような気がしているのかもしれませんね。
でも、話せないってことは、「人には受け入れてもらえない」と自己否定することにつながってしまいます。
本当の気持ちを話すことは、自分自身を認め自分自身に優しくすることにつながります。
(2)自分の答えを探すこと
「答え」は、きっと、あなたの中にあります。
「答え」が見つからないときは、その答えに気づかないだけだったり、気づきたくなかったり、混乱してしまったりしているのです。
心理カウンセリングでは、心理臨床の技術を使って、あなたが自分の中の「答え」に気づくお手伝いをします。
(3)心と体の調和をとること
神経症的な症状は、体や心を、「意識しないようにしている何か」から守ってくれていることが多いです。
心理カウンセリングでの『自分自信との対話』の中で、「何を何から守っているのか?」に気づくことで、
- それを、自分の意思で守ることができるようになり、
- その結果、症状などで守る必要がなくなり、
- 心と体の調和がとれて、
- 症状が軽減し、やがて消滅していく
と考えています。
03. 心理カウンセリングの流れ
(1)じっくりと話す
あなたが、自分の本当の気持ちを、誰かほかの人に話すことは大切なことです。
日常の会話では、悩み事を相談されると、話を聞く人は、
- 「大丈夫、大丈夫!」とか「誰でも悩みはあるよ!」とか当たり障りのない受け答えをする
- 「あなたは、こうすべきよ!」等と自分の考えを押し付ける
といった受け答えになってしてしまいがちなところがあります。
そのような受け答えをされると、話す方は、「話したい」「聴いてもらいたい」という気持ちが萎えてしまいます。
心理カウンセラーは、このようなありがちな応答で話を終わらせる事をしないので、自分の気持ちをじっくり話すことができ、それが本当の自分を見つめることにつながります。
時々、「カウンセリングでは自分の秘密を洗いざらい話さなければならない」と考えている方がいらっしゃいます。
でも、そんなことをする必要はありません。
話したくないことを無理やり暴露する必要はありません。
その時その時に、「話しても良い」と思えることだけ話せばいいのです。
(2)解決や改善につなげる
これまで「これが問題だ」と思っていたことの裏側に、叶えたい(叶わないとあきらめている)本当の望みが隠れています。
「これが問題だ」と意識していることを解決するために努力をしても、「本当の望み」を叶えることにはつながりません。
ですから、「本当の望み」を意識していなければ、自分の意志で「本当の望み」を叶えることは難しいです。
あなたの本当の気持ちに気づくだけで、心が楽になることは結構あります。
これは、次の2つのことによるのだと考えています。
- 「いくら努力しても解決できなかったこと」を解決しようとするこれまでの努力から解放されるから
- 自分の本当の望みに気づいたことによって、自分のパワーの正しい使い方が分かり、また、その自分自身のパワーによって、「本当の望み」が叶えられるという予感を感じることができるから
本当の望みがわかれば、それに向かって直接的な努力を行えるようになるので、自分の意志で望みが叶えられるようになるのです。
04. 明日に向かって
過去に起こった出来事を変えることは、誰にもできません。
元気な時は、多少落ち込んだりしたとしても、それを無意識に受けとめて再び前に向かって歩き始めます。
しかし、そんな当たり前のことが分からなくなって、後悔や不安から抜け出すことができなくなってしまうことがあるのです。
過去は変えられませんが、過去に負った心の傷による苦しさは、今この時に解消することができます。
それは、心の苦しさとは、過去の心の苦しさではなく、今の心の苦しさだからです。
今、苦しいのだから、今、楽になれるのです。
ただ、その方法が分からなくなっているだけです。
(その方法、そして、その方法が分からなくなる理由は、当カウンセリングルームのブログの一つ「子育てと解釈」をお読みに下されば理解していただけると思います。)
「心が弱い」「強い心になる」といった誤った考え方は、もう忘れてください。
誰でも、心が苦しくなってしまっても、その都度、楽な気持ちに回復させながら生きていけるのです。
当カウンセリングルームでの心理カウンセリングの中で、その方法にも気づいていただけるでしょう。
人は、「今」を「未来」に向かって生きています。
過去は変えることはできませんが、未来は変えることができます。
それを変えるのは、「今」です。
「今」なら、たった今の自分の望むように行動し、自由に変えることができるのです。
その「今の望みに沿って起こした今の行動」を
積み重ねた結果として未来が作られていきます。
その過程において、つらい気持ち、悲しい気持ちになったとしても、また、楽な気持ちに回復させればいいのです。
今の自分がよどんでしまわないように、
- 目の前の風景(目の前で起こっていること)の変化
- その時その時の自分の気持ち (過去の特定の事象への執着から離れ、因果律から解き放たれた気持ち)
- それらにつれて、刻々と変化する『たった今の望み』
に気付くことが必要です。
日々のその時々のほんのささやかな望みでも、それに気づけば、それに向かって動きたいと思えてきます。
それは、そんなに大それたことではなく、例えば、
- 背中がかゆかったらかく
- たこ焼きが食べたかったら、たこ焼きを買いに行く
- 興味があったら、ちょっとやってみる
- 泣きたいときは泣く
- うれしいときは喜ぶ
- 人と会いたくなったら会う
- ・・・
そんな些細なことです。
その積み重ねが、大きな夢をかなえることにもつながるのだと思います。
もう、『過去を変える』というような不可能なことを思ったり、『未来を変える』というような曖昧なことを言ったりしなくても良いのです。
- だから、つらい過去を悔やみ過ぎる必要はありません。
- だから、輝かしい未来という足かせを自分に取り付けなくても良いのです。
人は、気づかないうちに「本当の気持ち」を「よろい」で覆い隠し、その「よろい」を操って行動しています。
心理カウンセリングでは、そんな「よろい」に対し、次のような働きかけをすることにつながります。
- その「よろい」の中にある本当の気持ちに気づく
- 不要な「よろい」を脱ぎ捨てて身軽になる
- よろいを着ける前の本来の『純粋で可愛い自分』を取り戻す
- 自分自身を、無意識(無自覚)な囚われから解放し、楽に『自分の望む行動』ができるようになる
心理カウンセラーとのコミュニケーションを続けていると、そのコミュニケーションの中に、自分自身を不自由にしている「よろい」の正体が次第に見えてきます。
これまでは、それに気付くことが出来ず、対処することも出来なかったかもしれません。
しかし、それに、一旦、気づいてしまうと、
- それをどのように料理するかを自分で決める
- そして、自分の思い通りに、実際に料理する
ことができるのです。
05. 迷っているなら
(1)カウンセリングを受けようか迷っているとき
もし、あなたがカウンセリングに可能性を感じるのなら、その直感を信じて、カウンセリングを受けてみるのがいいのではないかと思います。
あまりうまい言い方ではないかもしれませんが、 「ダメでもともと!当たればラッキー!」です。
可能性にかけてみようと思ったとき、あなたの人生は良くなり始めているのです!
万が一ダメでも、また違うことをすればいいのですから!
今までとは異なる新たな行動を始めなければ、何も変わらず、今まで通りの状態が続くだけです。
(2)カウンセラーを決められないとき
100%の保証を求めるとなかなか決断できないものです。
ですから、ある程度情報を集めた後は、自分の直感を信じて決断するのが良いと思います。
また、カウンセラーも結局のところ、あなたと同じ人間です。
完璧なカウンセラーを探しても見つからないでしょう。
何をもって完璧とすれば良いかなんていう基準もありません。
だから、終わりの無いカウンセラー探しはしない方がいいと思います。
カウンセリングは、人と人との触れ合いです。 カウンセラーとの相性というものも重要です。
この人なら信頼してもいいかもしれないと思えたらその自分の直感を信じてみたり、何人かのカウンセラーにカウンセリングを受けてみて、一番良かったと思えるカウンセラーのところへ戻って、カウンセリングを続けても良いと思います。
考えているだけでは、何も始まりません!
そして、あなたを「明るい明日」に導いてくれるカウンセラーは必ずいます!