心理カウンセリングの有効性
心の苦しさについて
- 自分には、心は生まれながらのダメな心が備わっている
- ダメな心だから、心が苦しいと感じてしまう
- ダメな心だから、心の苦しさを解決できない
- ダメな心だから、心の苦しさに耐え続ける人生を過ごさなければならない
そんな風に諦めていませんか?
昔の私は、そう考えていました。
「心の苦しさは、そんなにも大問題なのだから、心理カウンセリングを受けたぐらいで変わるはずがない」とも思っていました。
ですから、「心の苦しさは、自分が変わることでしか解決しない」と考えて、心が苦しいと感じるダメな自分と、孤独に向き合うことしかできませんでした。
でも、今から振り返ってみると、それが間違えだったと分かります。
自分を変えようとすることによって、意識が自分のダメなところ探しばかりに向かってしまい、心の苦しさを大きくしてしまっていたのです。」
ダメなところに意識が向いているときは、それと対になる理想があります。
理想の自分を追求することは、悪いことではありません。
理想をイメージすることは、自己を成長させてくれます。
成長した部分が今の自分に上乗せされ、理想の自分に近づいていきます。
でも、その理想を、自分の性質を消し去ることで実現しようとしているのなら、少し立ち止まった方が良いかもしれません。
もしかしたら、それは理想ではなく、心の苦しさを解決しようとたまたま思いついた解決策に過ぎない可能性があるからです。
そのような理想を目指せば、日々の生活は自己否定の繰り返しになってしまい、もともとの苦しさの上に、更に自己否定し続けることによる余計な苦しさが付け加わってしまいます。
心の苦しさは解消する
心の苦しさは、とても簡単な方法で解消し、心を回復することができます。
ところが、その方法が分からないと心の苦しさを解消できません。
分かっていても、それを実践しないと、やっぱり心の苦しさを解消できません。
その方法を知ること、そして、それを実践することが大切です。
心理カウンセリングの役割
心理カウンセリングの第一の役割は、そのやり方が分かっていても、今置かれている日常の中に、それを実践する場所が見つからないときに、カウンセリングルームと心理カウンセラーがその場所になることです。
心理カウンセラーとのやりとりによって、いつもの自分を取り戻すことができます。
心理カウンセリングの第二の役割は、心を回復させる方法を知らない方々に、その方法を知って頂くこと、そして、実践して頂くことです。
心の問題ではなく習慣の問題
心の苦しさをいつまでも回復させられないでいると、人は、心が苦しくならない自分、心が苦しくならない世界を求めてしまいがちです。
でも、心が苦しいと感じることは、人として自然なことです。
心が苦しくならないなどということはあり得ません。
また、心が苦しくならない世界などというものも存在しません。
心の苦しさの原因を「心に何らかの問題があるからだ」と考えてしまう人は多いように思います。
でも、心の苦しさは、心そのものの問題ではありません。
実は、心が苦しいと感じたときの行動の習慣に問題があるのです。
その行動の習慣は、これまでの人生や現在の生活環境の中での様々な事情によって、心を回復させる行動が封印されることによって陥ってしまいます。
その行動の習慣は、簡単に書くと「心の苦しさを一人で抱え込んでしまう」ということです。
心の苦しさを解決できないのが、行動の習慣の問題であると理解できれば、自分(心)や世界を変えようとする必要はなくなります。
行動の習慣を変えさえすれば良いのです。
どうですか、少し気持ちが楽になりませんか?
「心が苦しいと感じたときの一人で抱え込んでしまう」という行動の習慣を改めれば良いだけなのです。
人は、変わろうとしなくても、知るだけで、必要な変化は自然に起こります。
心理カウンセリングの中で、精神的なダメージから気持ちが回復する体験すれば、習慣を変えようと努力しなくても、行動は自然に変わっていきます。
精神症状は「一人で抱え込む」という行動習慣の副産物
心の苦しさから回復できるようになれば、心理的な症状からも回復していきます。
一人きりで苦しい気持ちを感じ続けるのは、とても耐えられることではありません。
そこで、苦しいと感じているにも関わらず、それを感じていないことするという技を使うことがあります。
しかし、この技によって自分の感情や感覚に鈍感にすると、神経症やうつ的な状態を引き起こしてしまいます。
また、精神的なダメージを受けると苦しい気持ちから抜け出すのは容易ではないと思っていると、過去に苦しみに陥った体験は二度としたくないと思うのは当然のことです。
その結果、恐怖症的な反応につながります。
最近、「過去の出来事によって心に負った傷」という意味で、トラウマという言葉が頻繁に使われるようになっています。
この言葉からは「過去のことだから変えられない」という印象を受けてしまいます。
でも、実は、同じような体験をしたくないという未来に対する恐怖であることが多いのです。
たったこれだけのことによって、様々な精神症状を引き起こすことにつながるのです。
心をダメージから回復させる行動に封印をしてしまう理由
心をダメージから回復させる行動は、この世に生まれた時には、全ての人が自然に実践していた行動です。
ですが、それぞれの人生の中で、次第に
- 必要なら、いつでも心を回復させようと行動できる人
- どんな時でも、心を回復させようと行動できない人
に分かれていってしまいます。
これは、『心をダメージから回復させる行動』に封印をしてしまうかどうかによって分かれていきます。
『心をダメージから回復させる行動』に封印をしてしまうのには事情があります。
主に、家庭や環境・社会や文化の事情です。
例えば、「男が泣くのは心が弱いからだ」というのは日本の文化が背景にあります。
泣くことを「わがままだ」と解釈するのは、日本の文化的な背景もありますが、家庭の事情であるところが強いと思います。
家庭で『心をダメージから回復させる行動』を実践したときの体験は、大きく次の2種類に分けることができます。
「1.安心な気持ちにしてもらえる経験」を繰り返した人は、心をダメージから回復させる行動をより活用するようになります。
つらくなってもすぐに安心になることを繰り返し体験する内に、「苦しい気持ちになってもすぐに安心な気持ちになる」という安心感を身にまとっていきます。
やがて、多少のダメージならすぐに回復するという確信となって、多少のことなら直ぐに気持ちを回復さられるようになります。
そして、心をダメージから回復させる行動を頻繁に活用することから卒業します。
このような安心感を身にまとえば、人は自分の本当の気持ちに従って行動できます。
そんな様子を、第三者は「あの人は、失敗を恐れない強い心の持ち主だ」と解釈します。
「2.もっとつらい気持ちにさせられる経験」を繰り返した人は、心をダメージから回復させる行動を起こすよりも、一人きりでつらさに耐える方がマシだと考えてしまいます。
心をダメージから回復させる行動に封印をしてしまうは当然のことです。
そして、つらくならないための様々なヨロイ(行動に関する規則)を身にまとって、自分の本当の気持ちよりも、自分を守ってくれるヨロイを優先させて行動するようになってしまいます。
最後に
心をダメージから回復させる方法を知り、それを日常生活の中で実践できるようになれば、もう、苦しさに耐えるだけの世界からは抜け出すことができるのです。
心が苦しくならない世界などありません。
しかし、心が苦しくなったら、その都度、楽な状態に回復させながら生きていけるのがこの世界です。
心がダメージを受けても、気持ちを回復させて自分らしく生きていく、
そんな人生をあなたが歩むお手伝いしたいと願っています。