04-05-01.私たちの心に入り込んでくる流れ

心理カウンセリング・催眠療法の受付

  • 心を苦しめる暗示とは、どのようなものか?
  • 心を苦しめる暗示は、どのように働くのか?

そんな暗示が、私たちの心に入り込んでくる様子をグラフに表してみました。

【注意】
この図は、私が理解したイメージをグラフ化したもので、調査や統計などによるものではありません。
また、作図技術の問題でグラフは直線的に表していますが、もう少し曲線的に変化すると考えています。

【グラフの説明】

■青線の説明 人が暗示を蓄積していく流れは、大まかには次のようになります。

  • 幼い頃は、まだ固定的な暗示にとらわれておらず、暗示に対して解放された心理状態です。親の命令には従順で、親の教えはそのまま受け入れる傾向があります。
  • 日々の経験を通して様々な暗示を身につけるに従って、既に暗示が入った部分に対しては、新しい暗示に対して閉ざされた心理状態に変化していきます。

この子供の暗示を受け入れやすい心理状態は、催眠療法で催眠誘導した後の心理状態によく似ています。

そこで、年齢に応じた暗示の受け入れやすさをライフサイクル催眠深度(今回の説明のために適当に考えた造語)としてグラフに表してみることにしました。

新生児のライフサイクル催眠深度を100%として、成長につれてそれが変化するイメージが青い線です。

ライフサイクルの中で、第一次反抗期以前が、最も暗示を受け入れやすい時期だと考えています。

 

■赤線の説明

  • グラフの赤線は、蓄積された暗示の量を示しています。
  • ここでの暗示は、学問や労働に関する専門知識よりも、人との関わり方や起こった出来事への対処、世界観に関する暗示です。
  • 生後からしばらくの間は、親のしつけや教えをそのまま暗示として受け入れて、急速に暗示を蓄積していきます。
  • 幼児期に差し掛かると、自分で考え行動できるようになってくるため、親からの暗示を受け入れる勢いが減速します。(この受け入れ速度の減速を、親の目には「子供が親に反抗している」と映るのです。) 【第一次反抗期】
  • 第一次反抗期に、子供は、「親からのしつけ」という暗示を受け入れると観念することで、家庭の中で安心に暮らせるようになります。
  • 暗示は、家庭内だけでなく、家庭外での体験からも得ていきます。
  • 知識や思考能力や行動能力が高まると、蓄積された暗示と、自分が直面する現実との食い違いに気付き始めます。そして、これまで蓄積された暗示の一部が崩壊して再構築が始まるので、苦しい気持ちになりやすい時期です。【第二次反抗期(思春期)】
  • 第二次反抗期では、親の持っている暗示や教育社会の特殊な価値観などとの間に摩擦が生じます。(食い違いが生じる原因としては、親の価値観の偏り、学校教育の偏り、幼い頃の乏しい思考による幼稚な解釈などが挙げられます。)
  • 第二次反抗期の子供を、親が『ひとりの人』として尊重する態度で接していると、再構築が穏やかに進行し、それにつれて子供の心は落ち着きを取り戻します。
  • 様々な人たちとの出会いや様々な体験によって、新しい暗示を得たり、過去に得た暗示が修正されたりして、暗示は少しずつ自分が生きていく環境により適合したものに調整されていきます。ただ、様々な人との関わりや新しい体験が少ない環境では、この変化が起こりにくいと考えられます。
  • しかしながら、子供の頃に得た暗示には、いつまでも心の中に残ってしまうものもあります。

 

人生に影響を与える暗示

『三つ子の魂百まで』という言葉があります。

私は、「人の性格の主要な部分は、3歳までに形成される」と理解していましたが、その根拠は分からないままでした。

しかし、今回想定したライフスタイル催眠深度と照らし合わせてみると、

  • 3歳くらいまでが最も暗示の入りやすい時期で、その頃に入った暗示が人生に大きな影響を与え続ける

ということが、経験的に導き出されたのだと思えます。

私の理解では、この時期は3歳ではなく5~6歳くらいだと想定していますが、この時期に人生に大きく影響を及ぼす何かを身につけるという点では、共通しています。

そして、身につけるものは、得体の知れないものではなく、ただの暗示だと想定しています。

暗示には様々なものがありますが、人の心の成長を考えたとき、「心を楽に保つための暗示」と「心の苦しさの原因となる暗示」を特に重視しなければならないと考えています。

 

暗示が入りやすい理由

この時期にライフサイクル催眠深度が大きくなる理由は次の2つです。

  • 蓄積されている暗示が少ないので、新しい暗示が入りやすい
  • 人間関係の大部分が、家族(特に親)に限定されてきるので、同じようなコミュニケーション、同じような反応、同じようなしつけなど、ある傾向性を持った経験が日々繰り返される

 

この時期に受け入れた暗示が人生を左右してしまう理由

日常の繰り返しによって身につける暗示は、意識の深い部分(無意識)に刻み込まれてしまいます。

それは、気付こうとして真剣に向き合わなければ、まず気付くことはできません。

気付かないのですから、変わろうと思うこともなく、変われるはずもありません。

この人に定着して変わりにくい性質のことを、性格と呼んでいるのだと考えています。

ただ、性格が変わらない理由は、『暗示に気付かない』ということだけですから、気付くことができれば、変わりたければ変われるものなのです。

自分に根づいた暗示に気付き、それを言葉で表現できれば、現実とのギャップが意識できるようになります。

また、暗示を受け入れた背景が理解できれば、これまでの自分の頑張りをねぎらうことにもなります。

そんな中で、自分を苦しめた暗示は次第に薄れて目の前の現実に近づき、それに伴って心の苦しさは解消されていくのだと考えます。

 

【暗示を受け入れてしまいやすくなる状況の例】

1.言語

  • 同じことを繰り返し言われる ・「お前は、何をやらせてもダメだな」 ・「お前は、ダメなやつだ」 ・「お父さんに言って怒ってもらうよ!」 ・「泣くな!」 ・「男の子なんだから、泣くものじゃない!」
  • 子供にとって衝撃的なことを言われる ・「お前は橋の下で拾った子供だ。」 ・「死ね」

2.経験のパターン

  • 同じようなことを繰り返し経験する ・泣くと無視される ・怒ると家から締め出される ・自分が何かを望むと否定される ・自分が望まないことをすると褒められる ・いつも機嫌が悪い ・感情をぶつけられる ・暴力を振るわれる ・無視される ・冷たくされる ・裏面交流的なコミュニケーションをされる ・失敗すると怒られる ・親の考えている通りにしないと怒られる
  • 子供にとって衝撃的なことを経験する
  • ダブルバインド的な状況を作られる ・「幼稚園に行きたくない」と泣いていると、「幼稚園に行け!」と言って怒られ、無理矢理行かそうとされる。 ・「怒らないから本当のことを話しなさい」と言わないことを酷く怒られたから話したのに、本当のことを話すと酷く怒られる。

3.自己の解釈による暗示

  • 1、2のような理解が難しい状況を、自分なりの解釈によって受け入れる ・「僕が無視されるのは、僕が嫌なやつだからだ」 ・「僕が悪い子だから、親は僕を殴るんだ」

この投稿は、ピュアハート・カウンセリングのカウンセラーが書いています。

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