予期不安

心理カウンセリング・催眠療法の受付

説明

一般的な説明

予期不安
広い意味ではある行為をする前に人が抱く不安感情である。例えば、人前で話そうとするときに、「うまく話せるだろうか」「顔が赤くならないだろうか」などと心配する事である。狭い意味では一度不安体験があって、再び同じような機会に出会ったときにその体験が思い出されていっそうにその不安が増強されることである。たまたま、満員電車で息苦しくなったという体験からふたたび電車に乗ろうとする時に大きな不安を抱くのである。

カウンセリング辞典(誠信書房)、「予期不安」より抜粋】

もう一つの説明

症状の「もう一つの説明」『予期不安』なんて言葉を知ると、

  • 自分に『予期不安』という特殊な不安が生じるために、今抱えている症状を引き起こしてしまう

というような理解をしてしまいそうです。

しかし、この言葉は、その本質を表す言葉ではありません。

個人によって異なる『パニックに陥りそうなときの心境』を、細かく説明するのが煩わしいので、短い言葉で表現するために、便宜上採用された言葉です。

心理学者などがパニック障害を汎化して解説する時に、細かいことを考えるのが面倒だから使っていると言っても過言ではないように思います。

【余談】
汎化というと、悩みを抱えている人が陥る状況と思いやすいところがあると思いますが、専門家も結構当たり前のように陥る状況ですし、それが専門家の仕事だというところもあります。

しかし、問題を解決する事のできない汎化は、悩んでいる状態と何ら変わりはありません。

心理の専門家は、悩みを解決しようとしている人に、自分自身が行う汎化に気づくことを求めるところがあります。

それと同じように、個別の具体的な解決を語れない専門家が行う汎化に、巻き込まれないよう注意することも大切なのです。

神経症においては、一般的に、対象が明確でない時は『不安症』で、対象が明確になると『恐怖症』と呼ばれます。

ところが、一般的に『予期不安』と言われているものは、その対象が明確であることが多く、ちょっと矛盾を感じます。

  • パニックに結びつきそうな身体症状や精神症状
  • パニックになったときの身体症状や精神症状

このように考えると、パニック障害は、『パニック恐怖症』と理解できます。

にもかかわらず、『予期不安』という言葉を使ってしまうと、それだけで、対象が不明確化されて認識されるようになってしまい、それこそ『不安』という状態に引きづり込まれてしまいます。

そうなると、自分の心身の状態や周りの状況などの細かなことばかりを極端に意識してしまうようになり、『大きな流れの中で自分を理解する』という方向には、なかなか意識が向かなくなってしまいます。

全体を見ようとしないで、その『予期不安』や『パニック』といった問題とされる状態だけを取り上げると、それを問題と決め付けて取り扱おうとするのですから、それは自分にとって問題と思えてしまうのは当たり前のことです。

このようにして『問題でないも』のを『問題』と認識してしまうと、何を原因とすれば良いのかが分からなくなって行き詰まってしまうことがほとんどです。

そこで、苦し紛れに、『その状態に陥った自分が問題』と考え、次第に『自分自身が否定されるべき存在(変わらなければならない存在)』といった感覚に包まれてしまいます。

この自己否定感は、『人に助けを求めることを阻害する力』としても働きます。

このようにして、「恐怖心を和らげるために誰かに協力してもらおう」という当たり前の考えが、その人にとっては『思いもよらない考え』となってしまい、一人で孤独に恐怖と闘う状態に陥ってしまうのです。

少し分かり難いかもしれないので、補足します。
【補足】
例えば、鼻には2つ穴が開いています。

  • この『2つ穴が開いている』ということを『問題のあること』と認識すると、そのこと自体が問題になります
  • この『2つ穴が開いている』ということを『当たり前のこと』として認識すれば、問題ではなくなります。

前者の場合、問題だと認識するものの、それにどのように対処すれば良いのか分からなくなるだろう事は、何となく分かってもらえると思います。

最悪、『穴が開いている』ということが問題なのだから、『穴をふさぐ』という解決策を施してしまいかねません。

後者のほうは、考えたとしても、

  • その穴の役割
  • その穴ができるに至った経緯
  • など

を理解しようとする方向で、穴をふさぐ方向に思考が向かうことは、まず、ありません。

【余談】
これは、ある意味、不眠症の状態に似ているといえます。

一人で耐えようとするから、ますます、それに意識が集中してしまい、そのきっかけになった身体感覚をエスカレートさせてしまい、そこから逃れられなくなるのです。

自分のことを、他人の説明によって深く理解しようとするのは無理

専門家が、個人個人の千差万別な状況を文章にすることは難しいところがあります。

ですから、その説明の中に、自分の状態に対する説明を求めても、大雑把なことは分かっても、本当のところが分かることはありません。

しかし、自分は違います。

自分は自分自身に関するこの世で唯一の専門家

つまり、『自分の本当の気持ちを詳しく正確に理解してあげられる権利』は、自分だけに与えられた権利です。

他人には、その権利は与えられていません。

その自分自身を詳しく理解する権利を行使せずに、いつまで放置する手はないのです。

何を考えたら良いのか分からないときは、恐れている状況に陥ったときの自分自身を、第三者的に眺め、

  • どのようにしてあげたら、そんな自分に優しくすることになるのだろう?
  • どのようにしてあげたら、そんな自分は安心するのだろう?

と、具体的な方法を考えるところからはじめて下さい。

自分のことを、深く理解してあげられるのは、自分しかいない

最後に

安心は、他人に優しくしてもらったときに、自分の中からわきあがってくるものです。

一人で踏ん張って、自分の中から安心を絞り出そうとしても、得られるものではありません。

つまり、

他の人が居なければ、安心を得ることはできない

ということです。

ですから、不安や恐怖を感じたり、それを感じそうな不安や恐怖と向き合っているときは、

自分自身が、苦しさの中で孤独にしている自分を、誰か優しそうな人のところに連れて行ってあげる

ということを真っ先に考え、実践して下さい。

また、

誰かが優しい言葉をかけてくれたとき、それを断って一人で耐えようとせずに、その言葉に甘える

ということも実践するようにしてみて下さい。

そうすると、きっと、「今まで、何でもかんでも一人で耐えようとしていた」ということと、その不思議さに気づくことだと思います。

そして、『予期不安』や『パニック障害』ということは、気にならない状態になり、それらの症状なども解消するのです。

※「パニック障害」や「広場恐怖」のところの「もう一つの説明」を参考にしてください。

関連書籍

※ 関連書籍は、その内容を確認したわけではありません。参考程度に掲載しています。

コメント

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